世界全体で500万人以上の会員数を誇るWWF(世界自然保護基金)Australiaは、世界をリードする自然保護団体です。同団体のデジタルマーケティングスペシャリストであるAveril Case氏によると、WWF Australiaのような非営利団体への寄付は、感情に基づく決断によるものだと言います。そのため、寄付者と感情的なレベルで関わりを持つことが不可欠です。
その感情的なつながりを生み出すために、Averil氏とマーケティングチームの同僚たちは、従来の大量一括メールによるコミュニケーションを、きわめてパーソナライズされたメールキャンペーンと、Facebook、Twitter、Instagramを通じたソーシャルメディアでの交流に切り替えました。
Adobe Marketo Engageは、新しいマーケティング戦略において重要な役割を果たしています。マーケターは、Adobe Marketo Engageを活用して、データ主導の分析を行い、各支援者にどのようなコンテンツを配信するか決定し、それぞれの支援者の個々の関心や懸念事項に基づいてエンゲージメントジャーニーをマッピングしています。このデータ主導のアプローチにより、支援者は自身にとって意味のあるコンテンツを受け取ることができます。つまり、関心から支援、会員、資金援助へと人々を動かすコンテンツです。
「Adobe Marketo Engageを活用することで、私たちは支援者の声に耳を傾け、関心が持たれているコンテンツでエンゲージし、貢献を認め、寄付が世界にもたらしている影響を伝えるジャーニーに導くことができます」とAveril氏は述べています。
意味のあるコミュニケーションでエンゲージメントを促進
Averil氏とその同僚は、マーケティングの取り組みを会員数の増加、資金調達、支援の拡大に集中しています。Adobe Marketo Engageを活用することで、60万件のコンタクト先からなるマーケティングデータベースをセグメント化し、コンテンツをパーソナライズできるだけでなく、それぞれの支援者に向けた個々のエンゲージメントジャーニーを構築することができるため、マーケティングキャンペーンがより戦略的になりました。
セグメント化とパーソナライゼーションによって成功を収めている好例が、昨年の「Save the Koalas」キャンペーンです。このキャンペーンの目的は、クイーンズランドのコアラの窮状に対する認識を広め、適切なステークホルダーに懸念を伝えるように支援者を促すことでした。マーケティングチームは、Adobe Marketo Engageを活用してアドボカシーキャンペーンを作成し、購読者からクイーンズランドの12人の主要政策立案者宛てに、カスタムメールメッセージを送信できるようにしました。
「以前は、この種のキャンペーンを行う場合、署名を集め、キャンペーン終了後に政治家たちに情報を送る必要がありました。しかし今回は、キャンペーン終了までに、購読者の方々が50万通以上のコアラ支援のメールを送ってくださいました。このキャンペーンの反響が非常に大きかったため、私たちはすぐに、その後の支援キャンペーンでも同様のパーソナライズされたアプローチを採用しました。その結果、開封率が2倍に増加し、支援者の方々からもポジティブなフィードバックをいただいています。」とAveril氏は述べています。