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デジタルバンキングの未来を実現
BBVAは、Adobe Experience Cloudを利用して、わずか5年でデジタルエクスペリエンスをリードする銀行になり、自社の成長予測を上回る業績を上げました。
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120%
わずか5年でデジタル顧客基盤を拡大
目標
デジタル顧客基盤、売上、グローバルにおける事業展開を拡大したい
モバイルを主要なデジタルエクスペリエンスチャネルに昇格させたい
パーソナライズされた顧客体験を中心に構築されたデータ主導型企業になりたい
成果
オンラインと従来の顧客コミュニケーションを 50対50で実現
46%以上の顧客 にモバイルサービスを提供
顧客体験をパーソナライズするために、1000回以上のA/Bテスト を実施
6,600万人から7,900万人へ、グローバルの顧客基盤を20%拡大
新時代のデータ主導型バンキング
BBVAは金融業界のグローバル企業であり、11万人以上の従業員がオンライン、受賞歴のあるBBVAモバイルアプリ、実店舗で顧客にサービスを提供しています。2015年以降、同行は目覚ましい変革を遂げ、データ主導の意思決定とデジタル顧客体験を銀行業務の中心に据えました。
同行は変革に着手する際、2年以内に顧客の50%にオンラインでサービスを提供し、2020年までに売上の半分をデジタルチャネルで獲得するという大胆な目標を掲げていました。「顧客体験はすでに確立していましたが、デジタルサービスが急成長する中、真に卓越したデジタル環境を構築したいと考えていました。そのためには、データを統合し、デジタル顧客体験をパーソナライズする必要がありました」と、BBVAでデジタル分析のグローバル責任者を務めるHenrique Macedo氏は述べています。
同行はその後、そうした目標を上回る成果を達成しましたが、そのためにはまずデジタル体験に対するアプローチを再考する必要がありました。つまり、トップダウンで変革する必要があったのです。そこで、グローバルCMOの指揮の下、同行はスペインの本社にデジタルセンターオブエクセレンスを設立し、変革を推進しました。また、同時に、Adobe Experience Cloudの一連のテクノロジーを導入し、データを統合してデジタルの成長を促進しました。
「私たちのような顧客志向の組織には休息はありません。特に、金融業界のデジタル体験への移行をリードしたいと考えている以上、なおさらです。アドビの支援を受けて、私たちはあらゆる市場で顧客に選ばれるデジタルバンクになる道を歩んでいます」
Henrique Macedo氏
BBVA、デジタル分析担当グローバル責任者
デジタル分野の専門家とデータ主導の意思決定を採用
BBVAが変革を始めた当初、デジタルツールは標準化されておらず、データを統合するモデルも、サービスを提供していた10の市場でデジタルリソースを統合する方法もありませんでした。「デジタルビジネスについて大胆な計画を持っていましたが、それをどのように構築し、成長させ、管理するかについては手探りの状態でした」とMacedo氏は述べています。
ニーズの広さを認識した同行では、新しい働き方を導入し、デジタル分野の専門家を業務の中心に据え、データ主導型のサービスを構築して提供し、それぞれの顧客に直接語り掛け、それらを日々よりパーソナライズするという共通指針のもと、チームを編成しました。
明確な指針、デジタルセンターオブエクセレンスの設立、アドビのテクノロジーにより、データ主導型の新しいアプローチのアーキテクチャーを形成したことで、同行の指標は大幅に改善しました。2015年当時、オンライン顧客はポートフォリオの20%で、モバイル顧客は15%未満であったのが、現在ではオンライン顧客は50%、モバイル顧客は45%を超えています。
「これは単なるデジタルへの移行ではありません。わずか5年間で、グローバル顧客基盤が6600万人から7900万人へと成長しました。それは、アドビのような業界トップレベルのテクノロジーパートナーの協力を得て、デジタル体験をビジネス全体の推進力としてきたからです」とMacedo氏は述べています。
「顧客体験はすでに確立していましたが、デジタルサービスが急成長する中、真に卓越したデジタル環境を構築したいと考えていました。そのためには、データを統合し、デジタル顧客体験をパーソナライズする必要がありました」
Henrique Macedo氏
BBVA、デジタル分析担当グローバル責任者
共通言語によるエクスペリエンスの共創
BBVAの変革の中心は、データ主導型のプロセスと顧客サービスに一貫性を持たせることでした。世界各地で事業を展開する銀行として、どこでも同じ水準の顧客体験を提供すると同時に、各地域のチームがニーズに合わせてサービスをカスタマイズできるようにする必要がありました。
「私たちは共創の文化を構築し、地域をまたいで人材、知識、業務を結びつけ、ベストプラクティスのアプローチを開発し、それをあらゆるチャネルをまたいで展開することを目指しました」とMacedo氏は述べています。
Adobe Analyticsはそのコラボレーションを促進し、同行の多くのチームが単一のグローバル言語を使ってコミュニケーションし、インサイトを共有することを可能にしました。現在では、あらゆるチームが共通の分類方法とタグ付け方法を利用して、顧客体験とマーケティングパフォーマンスに関するデータを取得、解釈、提示することができます。これらのインサイトは、シンプルなダッシュボードを利用して統合および分析され、迅速かつ情報にもとづいた意思決定を促進します。
Adobe Analyticsは、COVID-19のパンデミック時に特に役に立ちました。デジタルセールス、モバイルアプリの利用状況、サービスのパフォーマンス、顧客行動に関するデータなどにアクセスできるようになったことで、経営陣は、2020年3月以降に直面した市場変動に対して常に一歩先を行くことができました。
「一貫性のあるグローバルデータモデルを導入していたことは、パンデミックの際に、まさに天の恵みでした。困難な時期を乗り切るために経営陣が必要とするあらゆる重要情報を統合したレポートをすばやく作成することができました」 とMacedo氏は述べています。
的を得たパーソナライゼーション
データ主導型の意思決定への移行の一環として、BBVAでは、Adobe Targetを利用して、デジタル顧客体験のパーソナライズと継続的な改善に精力的に取り組んでいます。各地域のチームには、webおよびモバイルサービスを最適化するためにA/Bテストを実施し、その結果を活用することが求められています。
「利用者の期待に応える存在でなければなりません。そのためには、ニーズにより的確に応え、顧客の期待を把握する方法を再考する必要があります。利用者の動機を学ぶためには、テストと学習の取り組みを継続することが重要です。」
Iciar Martín Vallejo氏
最適化&ファネルヘルス担当グローバル責任者
同行では、これまでに1000回以上のA/Bテストを実施し、常に30以上のパーソナライゼーションプロジェクトを進行させて、さまざまなセールスファネルのパフォーマンスを向上させています。
「テストは、BBVAにとって、成長と知識獲得の原動力となる作業の方法および習慣となっています。検証する好奇心を養い、意見よりもデータを重視する意識を広げています」とIciar氏は述べています。同行では、「ファネルラボ」を通じてあらゆる仮説と学習を集約し、銀行全体で顧客のニーズ、反応、行動を把握できるように支援しています。それにより、より優れたメッセージ、アプリ、商品オファー、戦略を自信を持って構築することができます。「特にモバイルアプリに関しては、A/Bテストが真の差別化要因となっています」とIciar氏は述べています。
同行のモバイルアプリを担当するチームは、分析/最適化チームと連携して、データのモニタリングおよびパフォーマンスのタスクフォースを立ち上げました。そのチームでは、設計からエンジニアリング、セールスパフォーマンスに至るまで、モバイルアプリ開発のあらゆる側面をカバーするデータ分析と評価を共同で実施しました。Adobe Targetを利用したA/Bテストにより、アプリのパフォーマンスの柱となる各要素を改善できます。
未来はコンテンツ
BBVAの次のステップは、コンテンツ管理を一元化し、一貫性を持たせることです。これにより、モバイルアプリなどのフロントエンドプラットフォームを通じて、顧客とよりパーソナライズされた感情に訴える方法でコミュニケーションできるようになります。
同行では、Adobe Experience Manager Sitesを利用して、コンテンツ制作プロセスを一元化し、コンテンツフラグメント機能とエクスペリエンスフラグメント機能を利用して、制作済みのアセットをより有効に活用し、顧客との会話で役立てる方法を確立しています。また、Adobe Experience ManagerとAdobe Targetの統合により、マーケットをまたいで一貫性のある方法で、洗練された適切なコンテンツを提供できるようになりました。
この統合は、同行が2019年にブランドを刷新した際に、ペルーのBBVA ContinentalからメキシコのBBVA Bancomerに至るまで、多くのサテライトバンクを単一のブランドアイデンティティの下に統合するのに非常に役立ちました。大きな問題もなく、SEOの再インデックス登録を包括的に実施しながら、あらゆる国で同時に新しいブランドをローンチすることができました。Adobe Analyticsにより、新ブランドのローンチ中に、webサイトとアプリのパフォーマンスに関するリアルタイムデータが提供され、必要に応じて軌道修正し、こまごまと発生した技術的な課題に対処することができました。
「コンテンツに対するこのアプローチは、BBVAにとってはまだ新しいものですが、その効果は非常に大きく、Adobe Experience Managerの活用をさらに拡大し、次の展開に期待しています」
Lucas Hernández氏
BBVA、SEO/コンテンツ担当グローバル責任者
「コンテンツに対するこのアプローチは、BBVAにとってはまだ新しいものですが、その効果は非常に大きく、Adobe Experience Managerの活用をさらに拡大し、次の展開に期待しています」とHernández氏は述べています。
継続的な改善が莫大な価値を生み出す
BBVAは1857年創業の大企業であるため、そのデジタル変革はより印象深いものとなっています。Macedo氏が述べているように、同行の成功は大規模な変革というよりもむしろ段階的なものですが、2015年以降の同行の進化を振り返ると、これらの改善が数百万ユーロの価値を生み出しています。
たとえば、Adobe Targetを利用したA/Bテストによって、webサイトのこれまで発見されていなかったバグが原因で、メキシコのBBVAの顧客がオンラインユーザージャーニーの最終段階でセールスファネルから脱落していることが判明した際は、すぐに問題を修正し、数百万ユーロの売上を回復することができました。「私たちのような大規模な事業運営では、アドビ製品を利用した顧客体験の小さな改善でさえ、収益に劇的な影響を与えます」とMacedo氏は述べています。
「私たちのような大規模な事業運営では、アドビ製品を利用した顧客体験の小さな改善でさえ、収益に劇的な影響を与えます」
Henrique Macedo氏
BBVA、デジタル分析担当グローバル責任者
BBVAは、Adobe Experience Cloudを活用して、デジタルビジネスの成長と強化を続けています。FirefoxとSafariが3rdパーティCookieの収集を廃止し、Google Chromeもこれに続く予定であるため、Cookieに依存しないブラウジングに対応するためのファーストパーティデータ戦略への適応が当面の優先事項です。
同行ではまた、アドビのテクノロジーを活用して、GDPRに準拠した形でデジタルマーケティングをさらに拡大しようとしています。これと並行して、より多くのデジタルツールから得られるデータをビッグデータインフラストラクチャに統合し、活用し始めています。
「私たちに不足していないものがあるとすれば、それは野心です。私たちのような顧客志向の組織には休息はありません。特に、金融業界のデジタル体験への移行をリードしたいと考えている以上、なおさらです。アドビの支援を受けて、私たちはあらゆる市場で顧客に選ばれるデジタルバンクになる道を歩んでいます」とMacedo氏は述べています。